第4章未曽有の大災害を乗り越えて高砂市水道事業 100周年記念誌 近年頻発する豪雨や地震などの自然災害によって、人々の暮らしに欠かせないライフラインの一つである水道施設にも断水等の被害が生じることがある。被災した事業体には全国の事業体が応援に駆け付ける仕組みになっており、ここでは1990(平成2)年以降に行った高砂市による応急給水活動について取り上げる。1.阪神淡路大震災(神戸市) 1995(平成7)年1月17日午前5時46分に都市直下型のマグニチュード7.3の地震が発生し、神戸と洲本で震度6を観測した。水道施設においては、9府県・81水道事業体において、断水戸数は約130万戸に上る事態となった。 高砂市からは1月18日から2月14日まで、市内企業から従業員、車両、給水装備などの応援を得て、神戸市中央給水センターへ水道職員、消防職員を中心に数名から十数名、車両6〜10台をもって、飲料水12㎥から33㎥(1日当たり)を搬送するとともに、給水車1台を常駐させ、昼夜職員を交代で派遣して神戸市内の給水作業に従事した。 給水日数は延べ28日間、搬送飲料水の量は257㎥、職員は延べ211名、車両は延べ105台を使用した。 兵庫県では、この震災対応の教訓と経験を活かし、今後の水道災害時に兵庫県下の相互応援活動を円滑かつ迅速に実施できるよう、兵庫県が中心となり、平成10年3月16日に「兵庫県水道災害相互応援に関する協定」を締結した。78・水道産業新聞 平成7年1月23日号第1節 災害対応
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