エコラムvol.19 緑化

更新日:2023年06月12日

春になると、花の色や木々の緑に癒されることも多いですね。

自然の象徴ともいえる植物の「緑」には、虫や鳥をはじめとする生物が生きる場や、遊び・散策・休息ができるレクリエーションの場など、様々な役割があります。また、災害時の被害拡大の抑制機能を持ち、公園や農地は空間利用も可能であるため、防災面でも大きな役割を果たします。

そして樹木などの緑は、温室効果ガスである二酸化炭素を吸収することから、地球温暖化対策としても非常に重要です。

 

そんな私たちの健康や生活と密接に関わる「緑」を、守り増やす手段のひとつが、「緑化」です。

緑化とは、人の手で植物を植え育成することですが、園芸や街路樹、建物などの人工的な空間に施すものや、植物の生息が困難な環境や伐採跡地などに施すものなど、目的や手段が多様です。

 

私たちに身近な緑化の例として、建物に施す「壁面緑化」や「屋上緑化」があります。そう、「緑のカーテン」は立派な緑化です。

緑の葉で建物を覆うことで、屋上や壁面を断熱することができます。これにより、建物から発する熱などに起因する「ヒートアイランド現象」を抑制・緩和したり、空調の稼働を抑えたりすることができ、省エネやCO2排出の抑制につながります。

 

このような自然環境保全の緑化以外にも、山地や河川ののり面の土砂流出を防止するための緑化もあります。

しかし一方、外来種子を大量に使用するなどの計画性のない緑化は、在来種の減少を招き、生態系のバランスを崩す可能性があります。

よりよい緑化を生活に取り込んで、植物が持つあらゆる機能を再認識することは、かけがえのない「緑」との共生に重要な要素のひとつです。

 

(広報たかさご平成30年5月号掲載)