エコラムvol.21 生物多様性
ふと周りを見渡すと、たくさんの生きものが目に映ります。虫や鳥、魚、植物、そして私たち人間ももちろん「生きもの」です。
地球上の生きものは、生命が誕生して以来40億年という長い年月の中で、さまざまな環境に適応し進化してきました。現在地球には、知られているだけで175万種、未発見種を含めると約3千万種の生きものが存在しているといわれます。
ゾウのように大きな生きものや細菌のように小さな生きものまで、それぞれ違う個性を持つ全ての生命は、直接または間接的につながり、支えあい、「生きる」バランスを保っています。そのバランスによってもたらされる恵み、また、生きもの個々が過去から未来へ継承する遺伝子そのものを総称して、「生物多様性」といいます。
私たちが日々受けている生物多様性からの恵みは、衣食住をはじめ、水や空気、薬品、文化など多岐にわたり、生きていくために欠かすことはできません。しかし、利便性を追求した現代の生活は、この貴重なバランスを崩し始めています。
開発や乱獲、里地里山への手入れ不足、外来種の混入や地球温暖化の影響により、現在、1年間に絶滅する生物の数は、過去のペースをはるかに上回る4万種にもなるといわれています。一度失った種は、二度と元に戻すことはできません。
生物多様性の中に生きる私たちが、身近に取り組めることはたくさんあります。
1 「たべよう」 地元で育った旬の食材を食べる。
2 「ふれよう」 自然の中へ出かけ、動物や植物、水や空気に触れる。
3 「つたえよう」 自然の中で見たものや感じたことを、文章や絵、写真で伝える。
4 「まもろう」 観察会や保護活動に参加し、つながりを実感する。
5 「えらぼう」 環境に優しい商品やサービスを選ぶ。
私たちの命と暮らしを支える生物多様性を、あるべき形で将来の世代に残すために、自然を守り、自然に守られる生活をしてみませんか。
(広報たかさご平成30年9月号掲載)
更新日:2023年06月12日