エコラムvol.22 適応策
今地球で起きている異常気象や自然災害、気温の上昇。甚大な被害をもたらした台風や豪雨、今夏の猛暑も記憶に新しいところです。
これらの原因として考えられる地球温暖化は年々深刻化し、このように目に見える形で、私たちの生活に影響が現れるようになりました。
「地球温暖化対策」といえば、省エネや再エネ設備の導入、ごみの減量化など、シーオーツーの排出を削減する対策が思い浮かぶのではないでしょうか。今以上の気候変動を避けるために必要不可欠な、このような排出源への対策を「緩和策」といいます。対して、すでに起こり始めている気候変動がもたらす影響に備える対策を「適応策」といいます。
相当厳格な緩和(排出削減)策を講じても、将来的には1度程度あるいはそれ以上の気温上昇が避けられないと予測されています。そのため、気候変動による影響や被害を回避・軽減するための適応策が重要視されるようになり、今年「気候変動適応法」も成立しました。
では、具体的な「適応」とは何でしょうか?
例えば【食】を守るための適応。気温や水温の上昇による農林水産業への影響に対し、品種や耕作方法の改良、漁獲分布域予測の高度化などがあります。
また【災害による被害】から生活を守るための適応。大雨による河川や内水の氾濫に備えるインフラ整備や、警戒避難体制の強化などがあります。
そして【健康】を守るための適応。熱中症や病気を媒介する虫への対策をとるなど、個人の心掛けももちろん「適応」の一つです。
まずは、気候変動を少しでも食い止める緩和策の強化が重要ですが、このような「適応策」も、今後、多分野で無数に広がっていくとされています。
(広報たかさご平成30年11月号掲載)
更新日:2023年06月12日