エコラムvol.25 ZEH(ゼッチ)
人が住居で生活する上で、必要不可欠な電気。そんな電気の消費量を必要最小限にし、発電設備などで自ら電力を作ることで、年間の一次エネルギー消費量(※)の収支をプラスマイナスゼロにする住宅のことを「ネットゼロエネルギーハウス(Net Zero Energy House)」、略して「ZEH(ゼッチ)」といいます。パリ協定を受け、日本が掲げるシーオーツー排出量削減目標達成のために、「住宅からの排出量削減」に着目し作られた、より厳しい住宅性能評価基準です。
ZEH達成のポイントは3つあります。
1.住まいの断熱性の向上
住宅の断熱性を上げることで、冷暖房などの使用を減らし、電力消費を抑えます。
2.高効率な省エネ設備の導入
LED照明や省エネ空調機などの省エネ設備を導入することで電力消費を抑えます。
3.創エネ設備の導入
太陽光パネルなどで電力をつくり、最小限に抑えた消費電力を自ら賄います。
この3つの条件がそろったZEHには、さまざまな利点があります。
まず地球に大変やさしいこと。発電燃料の大部分を石炭や石油などの枯渇性資源に頼っている今、家庭で発電できれば、排出シーオーツーの大幅な削減はもちろん、資源の保全にもつながります。
そして、断熱・機密性の高さから、冷暖房の最小限の稼働でも冷気や暖気を持続でき、大きく省エネが可能です。断熱性能が低い家と比較すると、体感温度はなんと4度も違うとか!この効果は、部屋間の急激な温度差がなくなることから、ヒートショックのリスク軽減にもつながります。これらの高い省エネ能力で、光熱費を低く抑えることができるのも大きな利点のひとつですね。
また、設置する機器によっては、災害による停電時にも電気をつくり、蓄え、使うことが可能です。
人生において「家」はとても大きな買い物。その上、ZEHを満たすにはさらなる費用が必要です。しかし、予測不能な将来の災害対策や健康面への配慮、さらに未来への環境の継承のために、ZEH普及は大きな可能性を持っているといえるのではないでしょうか。
※ 一次エネルギー消費量:住宅の冷暖房、換気、給湯、照明などの設備機器による消費エネルギーを熱量換算した値
(広報たかさご令和元年5月号掲載)
更新日:2023年06月12日