エコラムvol.27 食品ロス

更新日:2023年06月12日

食品ロスとは、まだ食べられるにも関わらず、さまざまな要因で廃棄される食品のことをいいます。廃棄に至る要因は、食べ残しや過剰生産によるものがよく知られていますが、生産や販売、消費などの各段階で生じています。

納品可能期間や消費・賞味期限など食品に付された「期日」によるものや、破損や規格不適合などにより、品質に関わらず廃棄されるものも、食品ロスにあたります。また、野菜や果物の葉や皮を余分に取り除いた部分や、見映えや容量を重視して捨ててしまう調理時の可食部の残渣(ざんさ)も食品ロスです。

 

日本の食品ロスの量は、年間約643万トン。これは一人当たりが、毎日お茶わん一杯程度のご飯の量を廃棄していることになります。

 

これを多いと感じるでしょうか。それとも、そのぐらいなら…と感じるでしょうか。

 

日本から、飢餓に苦しむ国への食料援助量は年間約320万トン。実にその倍の量を、私たちは廃棄しているのです。

他方で、食料自給率が低い日本は、その多くを輸入に頼っています。つまり、膨大な輸送エネルギーを費やして持ち込んだ食料を、さらなるエネルギーとコストを投入して処分していることになります。

食品ロスは、食料や資源の損失をはじめ、環境負荷の増大、経済的損失など、多岐にわたる不利益をもたらす原因になっているのです。

 

食品ロスを減らすためには、「もったいない」という意識が必要です。

「もったいない」でできる工夫はたくさんあります。その一つが、買い物のときには「買いすぎない」、料理をするときには「作りすぎない」、外食時には「注文しすぎない」、そして、食事に感謝して「食べきる」ことです。市でも「たかさごたべきり運動」として、広く食品ロスの削減を呼びかけています。

 

食品ロスは人により生まれるものです。

「自分だけなら捨てても大丈夫」という考えを捨て、「自分だけは食品ロスをゼロに」という意識が積み重なれば、食品を廃棄するという選択肢自体をなくすことができるかもしれません。

 

(広報たかさご令和元年9月号掲載)