エコラムvol.28 温室効果ガス排出量

更新日:2023年06月12日

ニュースなどで地球温暖化が話題になると、「温室効果ガス排出量の削減」という言葉を耳にします。世界でも日本でも、温室効果ガス排出量の削減(率)を温暖化対策の目標として掲げています。

深刻化する地球温暖化の原因が、二酸化炭素(シーオーツー)をはじめとする「温室効果ガス」であることは広く知られるようになりました。しかし、それらは気体で、見ることも手にとることもできないため、排出量を直接的に把握することは困難です。そこで、国際的ガイドラインに基づき、エネルギー使用量や生産量、焼却量といった「活動量」に、あらかじめ定められた「排出係数」を乗じて温室効果ガス排出量を算出しています。

また、温室効果ガスの種類によって、温暖化に与える影響力が異なります。例えば、メタンはシーオーツーの25倍、一酸化二窒素はシーオーツーの298倍もの温室効果があるのです。それらの影響を「地球温暖化係数」として排出量に乗じることで、排出量を、温室効果ガスの大半を占めるシーオーツーに換算して、実際の影響力を分析しています。

 

年間のシーオーツー排出量は、世界で約323億トン、そのうち日本は世界で5番目に多い約11億9000万トンを排出しています。ちなみに、家庭からの排出量は、一世帯当たり約4.5トン、一人当たり2.5トンと算出されています。

 

シーオーツーの排出量の目安は次の通りです。

【シーオーツー1キロ】

◇ドラム式洗濯乾燥機で洗濯から乾燥までを1.3回分

◇人が1日に吐き出すシーオーツー量

◇ノートパソコンの使用約243時間分

【シーオーツー1トン】

◇杉の木71本が1年間に吸収するシーオーツー量

◇25メートルプールの体積

 

いかがでしょうか。私たちは、電気・ガス・ガソリン・水・ゴミなど、生活に関わるほぼ全てからシーオーツーを排出しています。一人でできる削減はわずかでも、積み重なれば「量」は減らせます。そして、その手間は光熱費やごみ処理費などの「料」の削減にもつながります。

今は、「うちエコ診断」やインターネットで、家からのシーオーツー排出量を手軽に知ることができるようになっています。“知る”を第一歩に、地球と家計に優しい行動をはじめてみませんか。

 

(広報たかさご令和元年11月号掲載)