エコラムvol.30 エシカル消費
私たちの生活は、日々「消費」という行動の繰り返しによって成り立っています。食べ物や飲み物はもちろん、衣服、日用品、エネルギーなど、生活に必要なものを選び、消費しています。
では、それらはいつ・どこで・誰が・どのようにつくったものか知っていますか?最近は、必要なものをいつでも気軽に手に入れることができ、消費者にとっての利便性が大きく向上した一方で、その利便性を維持するための「生産」の背景が表面化することはほとんどありません。
たとえば、私たちの自由な消費を満たすための生産に、劣悪な環境下での長時間労働が伴っているかもしれません。あるいは、地球の再生能力を上回る速さで資源を使い、自然や動植物が犠牲になっているかもしれません。
消費者が、無数の選択肢から製品を選ぶときの判断材料に「生産の背景」を加え消費することを「エシカル消費」といいます。エシカル(ethical)は「倫理的な」という意味を持ち、エシカル消費を直訳すると「倫理的消費」です。法的な基準はないけれども、多くの人がよりよいとする、いわば社会的規範により、人や社会、環境に配慮した消費行動のことをいいます。世界が直面する気候変動や貧困、人権問題など深刻な課題の要因には、私たち消費者の選択も影響していることに気づき、行動することが大切です。
具体的には、次のような商品の選び方があります。
人や社会に配慮した消費
◇途上国の原料や製品は、適正かつ継続的に取引されたものを選ぶ
◇障がいがある人の支援につながる商品を選ぶ
◇売上の一部が寄付につながる商品を選ぶ
環境に配慮した消費
◇リサイクル素材など、資源保護に関する認証がある商品を選ぶ
◇簡易包装など、廃棄物を増やさない商品を選ぶ
地域に配慮した消費
◇地産地消で、地域活性化や輸送エネルギー削減につながる商品を選ぶ
◇地域の伝統を大切にした商品を選ぶ
私たちは、消費によって世界規模の課題を解決する可能性を持っています。消費者として現実に向き合い、よりよい選択を実践してみませんか。
(広報たかさご令和2年3月号掲載)
更新日:2023年06月12日