竜山石

更新日:2023年03月09日

石材の素朴な美しさと、古来からの伝統の技

見上げる竜山
3色の竜山石

宝殿石とも地元で呼ばれる竜山石は、比較的軟質で加工しやすく、古くは仁徳天皇陵などの石棺にも使用され、今でも建築・造園用の石材として広く利用されています。

伊保山を中心とした山々は高砂市の中央に位置し、垂直に切り立った石切場の岩肌は、どこからでも眺められ、高砂の風景の一つとして親しまれています。

竜山石(宝殿石)とは兵庫県の加古川下流右岸に産する流紋岩質溶結凝灰岩の石材上の呼称で、白亜紀後期(約1億年前)の火山活動によって噴出した火砕流堆積物が厚く堆積したものです。

古代、畿内の大王や豪族などの石棺にも使われており、7世紀頃に造られた「石の宝殿」は宝殿山の中腹にある約500トンの浮石で、生石神社の祭神として祭られ、江戸時代の末、シーボルトも訪れヨーロッパに紹介されています。

鎌倉~室町時代には、五輪塔・宝篋印塔・層塔・石仏などが製作され県内や大阪、京都に大きく広がっていきます。

江戸時代初期、慶長年間の姫路城や明石城には、石垣などの建築構造資材として竜山石が大量に使用されています。
天保7(1836)年、姫路藩の専売品となり鳥居・燈籠・狛犬・石臼・石垣・石段などに広く利用され全国に供給されていきました。
その後、近代になると美しく優れた建築資材として盛んに活用され、明治3(1870)年に、旧造幣局幣鋳造所、大正11(1922)年、住友銀行本店ビル、昭和3(1928)年には京都ホテル旧館や旧国鉄大阪鉄道管理局等の外壁を飾りました。

伊保山、竜山などに登ると、山の尾根上に古い時代の石切場の跡を見ることができます。

生石神社の石の宝殿を見上げる女性
竜山石で作られたビアタンブラーとお猪口

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