離婚後の親権者・養育費について

更新日:2026年01月01日

令和6年5月に民法の一部を改正する法律が成立しました。

この法律では、父母の離婚後のこどもの養育について見直され、親の責務や親権、養育費、親子交流などの様々なルールが新しくなりました。

民法改正で見直された主な点は、以下の通りです。

親の責務に関するルールの明確化

親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

【こどもの人格の尊重】

こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

【こどもの扶養】

こどもを養う責任を指します。こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

【父母間の人格尊重・協力義務】

こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。

下記のようなことは、このルールに違反する場合があります。

・暴行や相手を怖がらせるような言動

・他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること

・理由なくこどもの住む場所を変えること(※)

・約束した親子の交流をさまたげること

※暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。

【こどもの利益のための親権行使】

親権はこどもの世話やお金や物の管理など、こどもの利益を守るために使われなければなりません。

親権に関するルールの見直し

これまでの民法では、離婚後は、父母の一方のみを親権者と定めなければなりませんでした。

今回の見直しにより、離婚後は共同親権の定めをすることも、単独親権の定めをすることもできるようになります。

【親権者の定め方】

協議離婚:父母が、その協議により、親権者を父母双方(共同親権)とするか、その一方(単独親権)とするか定めます。

裁判離婚:家庭裁判所が、父母とこどもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮した上で、こどもの利益の観点から、共同親権とするか単独親権とするかを定めます。

次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。

●虐待のおそれがあると認められるとき

●DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

※殴る・蹴る等の身体的な暴力を伴う虐待・DVに限定されません。

※また、これらの場合以外にも、共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。

【親権の行使方法】

父母2人ともが親権を持つ共同親権の場合であっても、日常のことや緊急のケースについては一方の親で決めることができます。

日常のことは一方の親で決められる(単独行使可)

・食事や服装の決定

・短期間の観光目的での旅行

・心身に重大な影響を与えない医療行為の決定

・通常のワクチンの接種

・習い事

・高校生の放課後のアルバイトの許可

大切なことは父母2人で話し合う(共同行使)

・こどもの転居

・進路に影響する進学先の決定

(高校に進学せずに就職するなどの判断を含む)

・心身に重大な影響を与える医療行為の決定

・財産の管理(預金口座の開設など)

緊急の事情があるとき(単独行使可)

・DVや虐待からの避難(こどもの転居などを含みます)をする必要がある場合(被害直後に限りません)

・こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合

・入学試験の結果発表後に入学手続の期限が迫っているような場合 など

具体的な内容は法務省Q&A形式の解説資料(民法編)をご確認ください。

養育費の支払確保に向けた変更点

養育費を確実に、しっかりと受け取れるように新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。

【取り決めの実効性向上】

文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申し立てができるようになります。

【法定養育費】

離婚時に養育費の取決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。

※法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。

【裁判手続きの円滑化】

家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

【親子交流の試行的実施】

家庭裁判所の手続中に親子交流を試行的に行うことができます。

家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適当かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。

【婚姻中別居時の親子交流】

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

【父母以外の親族とこどもの交流】

こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。

参考

この記事に関するお問い合わせ先

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(子育て支援担当)079-443-9024
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