アスベストに関するQ&A

更新日:2023年05月02日

目次

  1. アスベスト(石綿)とは?
  2. アスベスト(石綿)はどんな特性をもっていますか?
  3. 石綿が原因で発症する病気は?
    1. 石綿(アスベスト)肺
    2. 肺がん
    3. 悪性中皮腫(あくせいちゅうひしゅ)
    4. 良性石綿胸膜炎
    5. びまん性胸膜肥厚
  4. どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病しますか?
  5. 以前アスベストを吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査に行けばよいですか?
  6. アスベストを吸い込んだかどうかはどのような検査でわかりますか?
  7. アスベストに起因する疾患が発病しているかどうかはどのような検査でわかりますか?
  8. 吸い込んだアスベストは除去できますか?
  9. アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はありますか?
  10. 病気の進行を予防するにはどうすればよいですか?
  11. 民間の支援相談窓口はありますか?

1.アスベスト(石綿)とは?

石綿(アスベスト)は、線状の鉱物で、安価な工業材料としてスレート材、ブレーキライニングやブレーキパット、防音材、断熱材、保温材、吸湿材などの産業用はもちろん、家庭用ヘアードライヤーなどの身近なところまで広範囲に使用されています。国内の使用量の約80%は石綿スレート、石綿セメント板等の石綿含有建築材料として使用されています。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、現在では禁止されています。このため、最近では建設工事よりもビル等の改修・解体工事のほうが石綿にばく露するおそれが高いといえます。

2.アスベスト(石綿)はどんな特性をもっていますか?

石綿(アスベスト)は、その繊維が極めて細く、容易に空中に浮遊します。このため、人が呼吸器から吸入しやすいという特質を持っています。また、通常の環境条件下では半永久的に分解、変質しないこと及び地表に沈降したものでも容易に再度粉じんとして空中に飛散するため、環境蓄積性が高い点で、他の汚染物質と異なる面をもっています。

3.石綿が原因で発症する病気は?

石綿(アスベスト)の繊維は、肺繊維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています。(WH0=世界保健機構の報告による。)石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、肺がんは15年から40年、またはそれ以上という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事を通して石綿を扱っている人、あるいは扱っていた人は、その作業方法にもよりますが、石綿を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。現に仕事で扱っている人(労働者)は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)石綿を吸うことにより発生する疾病としては次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上疾病とされると、労災保険で治療できます。

1.石綿(アスベスト)肺

肺が繊維化してしまう肺繊維症(じん肺)という病気の一つです。肺の繊維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿のばく露によっておきた肺繊維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15年から20年といわれています。アスベストばく露をやめたあとでも進行することもあります。治療法は知られていません。

2.肺がん

石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベストばく露から肺がん発症までに15年から40年の潜伏期間があり、ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

3.悪性中皮腫(あくせいちゅうひしゅ)

肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。(進行が早く、予後が悪い疾患です。)若い時期にアスベストを吸い込んだ人のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20年から50年(およそ40年に発症のピークがあります)といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。

4.良性石綿胸膜炎

胸膜腔内に滲出液が生じるもので、半数近くは自覚症状が無く、症状がある場合は咳嗽、呼吸困難の頻度が高いといわれています。

5.びまん性胸膜肥厚

呼吸によって肺が膨らむときに便利なように臓側胸膜と壁側胸膜は本来癒着しておりませんが、良性石綿胸膜炎が発症するとそれに引き続き胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺のふくらみを傷害し呼吸困難をきたします。胸部X線写真上胸膜の肥厚を認めるようになりますが、この状態をびまん性胸膜肥厚といいます。

4.どの程度の量のアスベストを吸い込んだら発病しますか?

アスベストを吸い込んだ量と肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度ばく露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。しかし、その危険性がゼロとの断定もできず、基本的に「安全な濃度」はないといわれています。職業性ばく露の場合、低濃度ばく露では胸膜に、高濃度ばく露では腹膜に中皮腫を発症しやすいといわれています。

5.以前アスベストを吸い込んでいた可能性がある場合どこに検査に行けばよいですか?

アスベストを吸い込んだ可能性のある方や呼吸困難や咳、胸痛などの症状がある方、その他特にご心配な方は専門病院に相談されることをお勧めいたします。

6.アスベストを吸い込んだかどうかはどのような検査でわかりますか?

胸部X線でわかる場合もありますが、アスベストを吸い込んだ量がそれほど多くない場合にはわからないこともあります。

7.アスベストに起因する疾患が発病しているかどうかはどのような検査でわかりますか?

アスベストを吸い込んで起こる疾患が発病しているかどうかを正しく調べるためには胸部X線検査のほか、胸部CT検査、腹部CT検査などをおこなうことがあります。

8.吸い込んだアスベストは除去できますか?

一旦吸い込んだアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されます。

9.アスベストが原因で発症する疾患に特有の症状はありますか?

発病しさらにある程度進行するまでは無症状のことが多いといわれています。(3参照ください。)

10.病気の進行を予防するにはどうすればよいですか?

病気の進行度により違ってきますので、現在かかっておられる主治医の先生にご相談ください。

11.民間の支援相談窓口はありますか?

民間団体の支援・相談をご希望の方は以下の相談窓口もご利用いただけます。

  • 【関西労働者安全センターへのご相談】(06-6476-8220)
  • 【アスベストセンターへのご相談】(03-5627-6007)
  • 【中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会】(0120-117-554)
  • 【建物に関するご相談(ひょうご住まいサポートセンター)】(078-360-2536)

この記事に関するお問い合わせ先

生活環境部 環境経済室 環境政策課

〒676-8501
兵庫県高砂市荒井町千鳥1丁目1番1号

電話番号:079-443-9029

お問い合わせはこちら